Menu

ACC、日本からのグランティー 2016年12月28日

2016/09/08

ACC(Asian Cultural Council)リサーチの一環として、過去のグランティーのリストをチェック中。日本のグランティーのリストを見てみると、驚くばかり。目についたお名前をピックアップしてみた(見落としもあると思いますので、ご容赦ください)。以下、アルファベット順、敬称略。米国以外に、アジアに滞在してもいいグラントなのだが、このうちの全員が(間違いなければ)米国に滞在している。けっこう意外な方も。アジアの舞台芸術における米国の位置について考える、というのがテーマの一つなのだが、こうして見ると、時代によって米国が占める位置が変わってきているような気もする。ただ、あまりに多くの、いろいろな分野の方がいらしていて、リストを作ってみても、とりあえずは呆然とするばかり。これからゆっくり考えてみる。

舞台芸術関連(他分野の専門家・申請内容でも、主観的に舞台芸術と関係が深い方を含む):

足立智美

天野由起子

浅田彰

朝倉摂

古橋悌二

原田一樹

原田敬子

長谷川六

林光

羊屋白玉

細川俊夫

三代目市川猿之助

市川雅

石岡瑛子

磯崎新

岩淵多喜子

唐十郎

笠井叡

川村毅

木佐貫邦子

北村明子

小池博史

小山田徹

小谷野哲郎

國吉和子

黒沢美香

李麗仙

マキノノゾミ

麿赤兒

畠由紀

三浦雅士

室伏鴻

武藤大祐

内藤美奈子

中川龍一

中嶋夏

中谷芙二子

大橋宏

太田省吾

笈田ヨシ

岡田利規

岡本芳一

大倉正之助

鴻英良

坂本公成

坂手洋二

佐東範一

茂山あきら

茂山千之丞

白石加代子

鈴木忠志

高橋宏幸

武満徹

玉井康成

田中泯

寺山修司

勅使川原三郎

土取利行

辻村寿三郎

梅田宏明

山田せつ子

山川冬樹

山崎広太

山崎正和

やなぎみわ

矢内原美邦

横堀ふみ

横尾忠則

四方田犬彦

米屋尚子

吉田玉松

それ以外:

会田誠

粟津潔

藤枝守

羽仁進

長谷川祐子

一柳慧

池辺晋一郎

池田満寿夫

加納光於

柏木博

川俣正

香月泰男

小泉文夫

近藤譲

隈研吾

草間彌生

三木富雄

宮島達男

元永定正

村上隆

内藤礼

名和晃平

岡崎乾二郎

大友良英

小澤征爾

澤登翠

篠原有司男

高橋アキ

二代目高橋竹山

高橋悠治

高階秀爾

瀧口修造

田村隆一

田中功起

谷川俊太郎

東野芳明

土本典昭

宇佐美圭司

渡辺香津美

ヤヒロトモヒロ

吉増剛造

湯浅譲二

(とりあえず、以上)

注記:以上には個人のグランティーだけでなく、採択されたプロジェクトに参加した方(project participant)も含まれています。2013年以降のグランティーは含まれていません。

ACC、日本からのグランティー へのコメントはまだありません
カテゴリー: ACC

ニューヨーク

2016/09/01

ニューヨーク行きの機内で、はっとした。ガイドブックを買い忘れた。はじめて行く国にはたいていガイドブックを持っていく。アメリカははじめてではないものの、どこに何があるのか、ほとんど何も知らないということに今になって気づいた。

56年前、SPACでコロンビアのボゴタ演劇祭に参加したとき、コロンビア出身の演出家オマール・ポラスさんに、アンデス山脈に連れて行ってもらったことがある。満天の星の下で、インディオのタバコを使う儀式を教えてくれた。そうか、ここは新大陸ではなくて、とても古い文化があるところなんだ、と急に実感した。それ以来、自分とこの大陸との関係が少しずつ変わってきたような気がする。

なぜアメリカなのか。最近アジアのアーティストと出会う機会が増えてきた。多くのアーティストから、アメリカで学んできたという話を聞いた。フランスとかドイツなどというのは少数派だ。思えば日本でも、おおまかにはそうだろう。なぜアメリカに行くのだろうか。自分はそんなことは夢にも思わなかったのに。・・・というのはウソで、本当は、単に英語ができなかったり、競争率が高そうだったから、はなから諦めていたのだと思う。アメリカ文化への憧れは、常になにがしかの畏れとともにあった。

今回、どうしてもアメリカに行きたいと思ったのは、演劇祭のプログラムを組む仕事にも自分の研究にも、行き詰まりのようなものを感じてきたからだ。ヨーロッパ中心の演劇史を批判的に検証するような仕事をしようとしてきたが、自分がまともに学んできたのがほとんどそれだけなので、そこから離れてしまうと、軸足を失ってしまう。そのためにも、パフォーマンス・スタディズのことをもっと知らなければ、と思った。

アジアのアーティストがアメリカを選ぶ理由はいろいろあるだろうが、一つには、ヨーロッパ的な演劇史の束縛が小さいこともあるに違いない。ヨーロッパで演劇を学ぼうとすると、ソフォクレス、シェイクスピア、ラシーヌ、イプセン、チェーホフといった作家中心の演劇史を学ばざるをえない。だが、アメリカから見れば、これもいわばヨーロッパローカルな歴史に過ぎない。アテネもローマもパリも、北京や東京やジャカルタも、いわば等距離に見るような視点が可能になる。今夜はピザにしようか、ラーメンにしようか、というくらいの。このあたりが、アジアの多くのアーティストにとって、ヨーロッパよりもずっとやりやすいところなのではないだろうか。シンガポールのオン・ケンセンも、フィリピンのクリス・ミリヤードも、ニューヨーク大学のパフォーマンス・スタディーズ科でバリ島の演劇について学んだのだという・・・。

そんなわけでこれから6ヶ月間ニューヨークに滞在し、Asian Cultural Councilのグラントをいただき、アジアのアーティストたちへのパフォーマンス・スタディーズの影響やアメリカ在住のアジア系アーティストについてリサーチをすることになりました。今朝、静岡の田んぼが隣にあるアパートを出て、先ほど、国連本部に近い44丁目のアパートにたどりついたところです。ニューヨークにお住まいの方、これからいらっしゃる方、ぜひお声をかけてください。

http://www.asianculturalcouncil.org/japan/grantee_2016/

ニューヨーク へのコメントはまだありません
カテゴリー: ACC