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劇場は可能か? 2022年1月5日

2020年、2021年と、劇場関係者にとってはつらい年がつづきました。世界中の劇場が一度に扉を閉じたというのは、有史以来初めてのことでした。一方で、そもそも世界中にこれほど「劇場」なるものが存在したのも、有史以来初めてだったはずです。西洋演劇史においても、常設の屋内劇場ができたのは16世紀以降のことに過ぎません。

コロナ禍で、世界中の劇場が一度に扉を閉じました。でも、コロナ禍が収束すれば劇場に平穏な日常が戻ってくる、というわけでもなさそうです。奇しくも2020年は、アジア経済の重みが世界経済の半分を越えた年でもありました。劇作家の岸井大輔さんは、「私たちアジア人にとって…シアターの建設と舞台化こそ近代化であり、植民地化である」とおっしゃっていました。2020年代は世界劇場史にとって、節目の時代となるでしょう。アジアのなかでも重要な劇場興行の歴史を持つ日本にとっては、自らの歴史と折り合いをつけ、近隣の実践も参照しながら、新たなモデルを創造する好機にもなりうるはずです。

これまでの20数年間、私は劇場というものがあったおかげで生きていくことができました。ではこれからの20年間はどうなるのか。私にも確実な答えがあるわけではありません。

劇場関係者に「劇場は可能か?」という問いを投げかけていくインタビューシリーズ、まずは1月11日にオープニングトークを行い、今日の社会において劇場というものが抱えている問題を岸井大輔さんと一緒に解きほぐしてみます。そのうえで、まちを舞台に演出する石神夏希さん、「木ノ下歌舞伎」の木ノ下裕一さん、世田谷パブリックシアターの初代芸術監督佐藤信さん、キラリ☆ふじみ芸術監督の白神ももこさん、ドラマトゥルクでF/T・東京芸術祭でディレクターを務めてきた長島確さん、KYOTO EXPERIMENTを立ち上げたロームシアター京都の橋本裕介さん、新長田DANCEBOXの横堀ふみさん、照明家の吉本有輝子さん、演出家でアートスペースUrBANGUILDの運営にも携わっている和田ながらさんに問いをぶつけていきます。

自分の生にとって不可欠だった場を、次の世代にはどのような形で引き継いでいけばよいのか。みなさんと一緒にじっくり考えてみたいと思っています。今年も何卒よろしくお願いいたします。


横山義志(演劇研究)×岸井大輔(劇作家)
劇場は可能か シーズン0
企画司会:岸井大輔 横山義志
優れた活動をしている多くの劇場が存続の危機に晒されている中、今日も新しい劇場が開く。
しかしそもそも日本で劇場をやるというのはどういうことか?コロナが続きオリンピック終了したこのタイミングで考え直してみたい。
まずは、インタビュー8本と2回の対話の場。
インタビューイー(各2時間程度・録画次第都度共有・各単独2500円)
石神夏希 3月2日収録予定
木ノ下裕一 3月7日収録予定
佐藤信 3月9日収録予定
白神ももこ 2月24日収録予定
長島確 2月25日収録予定
橋本裕介 2月15日収録予定
横堀ふみ 3月14日収録予定
吉本有輝子 3月7日収録予定
ゲストインタビュアー 和田ながら
オープニングトーク(基調講演) 1月11日(火)11時30分ー14時 単独2500円
リアル会場(@PARA会場は予約者に告知)+オンライン+録画 岸井大輔・横山義志
企画者それぞれから企画の趣旨を説明し、参加者とディスカッション。インタビューイーへの質問も募ります。
エンディングトーク 4月19日(火)11時30分ー14時 単独参加不可
リアル会場(@PARA)+オンライン+録画  岸井大輔・横山義志

インタビュー録画8本+イベント2回 
全て込み1万円(学生5000円)/各イベント・動画2500円(学生1500円)、インターン制度あり

https://docs.google.com/document/d/1c0AcRmH1GKlbLfu5W_DnwICJCSMz3Rdob11YtkCslbs/edit?fbclid=IwAR1HCFqG6Yrif4EI_KkkQATqhoPhIyAImIWmEioOAl_gPZIsfLo7cLU16fI

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