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「国語演劇」を越えて 2025年4月29日

ティアゴ・ロドリゲスとカロリーヌ・ギエラ・グェンの共通点は、「国語演劇」から脱しようとしていることです。ヨーロッパにおいて、英語はシェイクスピアの言語、フランス語はモリエールの言語と呼ばれるように、演劇は「国語」という制度の成立と深く結びついていました。今にして思えば、20世紀の「演出家の演劇」において、古典の再解釈が盛んに行われた背景には、学校や学生が劇場の顧客として重要だったことがありました。でも、「国語」という制度によって傷を受けた人、そこから排除されている人に目を向ければ、「国語演劇」とはだいぶ異なる世界が見えてきます。

複数の言語が共存する創作の場においては、一人ではコントロールしきれない部分が生じ、ヒエラルキーも変わっていきます。そこからどんな作品が生まれてるのか、気になったらぜひSHIZUOKAせかい演劇祭に足をお運びください。さきほどの『〈不可能〉の限りで』リハーサル、リラックスした雰囲気ながら、俳優もドラマーもかなりドキドキさせてくれました。静岡でお待ちしております!
https://festival-shizuoka.jp/

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