Menu

パフォーマンス・スタディーズと文化人類学 2016年12月28日

2016/09/17

パフォーマンス・スタディーズと文化人類学に興味がある、というと、今のところ、どこに行っても困った顔をされる。ニューヨーク市立大学では、うちは演劇科だから、といわれ、ニューヨーク大学のパフォーマンス・スタディーズ科に行ってみても、文化人類学はどちらかというとノースウェスタン大学かな、といわれる。確かにニューヨーク大学のパフォーマンス・スタディーズ科の先生たちを見ても、ほとんど文化人類学と関係がある先生はいない。創立者のリチャード・シェクナーくらい。誰に聞いても、それならシェクナーだね、といわれるばかり。

昨年のPSi (Performance Studies international) in Aomoriに参加してみて驚いたのは、アメリカのパフォーマンス・スタディーズの研究者たちが、フーコー、ドゥルーズ、デリダといった名前ばかり口にすることだった。パフォーマンス・スタディーズはここ20年ほどで、シェクナーがはじめた時代とはだいぶ違うものになっているらしい。もはやシェクナーが切り拓いてきたようなフロンティアがなくなってきていることも理由の一つなのかもしれない。せっかくアメリカに来てフレンチ・セオリーを学んで帰るのも癪なので、もうちょっと別のことをしている方を見つけたいところなのだが。とりあえず、少しずつ、どうしてこういう状況になってきたのかはわかってきた気がする。いろいろ考えさせられる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です