「帰国事業」で北朝鮮に一度「帰国」し、脱北して日本に戻ってきた方が200人近くいらっしゃるそうですが、その過去を語ってくれる方は少ないといいます。
明日11/10まで北千住BUoYで開催中の『朝露 日本に住む脱北した元「帰国者」とアーティストとの共同プロジェクト』で上映されている琴仙姫さんの新作《朝露 Morning Dew – The stigma of being “brainwashed”》、圧巻でした。「演じること」に関する作品なのかな、と勝手に思っています。
人は家族や組織、国家といった虚構を日々演じている。自分に与えられた役割を演じることは、時として思いがけない充実感をもたらす。とりわけ、それが集団によって承認されるときには。だが一方で、自分が演じた役が自分を縛っていくこともある。集団で一つの虚構を演じていると、そこから抜け出すのはいよいよ難しくなる。そして一人が役を演じることができなくなっても、芝居はつづいていく。その虚構の全体が破局を迎えるまでは。
これは「大東亜戦争」でも起きたことなんでしょうね。では、今自分たちはどんな役を演じているのか。その渦中にいると、なかなか分からないのですが、もっと考えてみたいと思いました。
カテゴリー: アジアの舞台芸術
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